旅行記

北海道ヒッチハイク1

「ヒッチハイクで旅に出よう」
ヒッチハイク経験など皆無だった私が思い立ったのは2000年の夏。

ヒッチハイク旅の先輩、M氏を追いかけてのことだった。

以前、M氏から「ねぶた祭り」の事を聞いていたこと
ウワサによると今年もねぶたに行ったということを聞き、私も青森へ向かう。
さすがに兵庫県から青森までヒッチハイクは、時間がかかりすぎるので、大阪から新潟まで高速バスで行った。
大阪を出発した夜行バスが新潟に着いたのは午前6時台。
この年は冷夏で、8月とはいえ肌寒かったのを覚えている。
緊張しながら、最初のヒッチハイクを試みた。

画用紙に行き先を書いて掲げる。
平日の朝、当然ながらなかなか止まってくれる車は無い。
私はとぼとぼ歩きながら時々立ち止まっては、何度かヒッチハイクを試みた。



ヒッチハイク成功!
初めて止まってくれたのは掃除の仕事をしているオジサン二人組み。
なんでも、一仕事終わって次の場所に行く途中だったそうだ。

「ヒッチハイク初めてなんです」というと
「そうかぁ!俺が初めての男ってわけだな!」
と、意味深発言をされました。

「新潟は米が美味いから、是非食べてね〜」
と、新発田で下ろしてもらい、二回目のヒッチハイク開始。



二回目は意外とすんなり成功!
なんと、私と同じ兵庫県から軽自動車で一人旅をしているおっちゃんでした。
なんでも、病気療養中ですることが無いから、何かやってみよう…と言うことで旅に出たそうです。
お昼ごはんをご馳走してくれました!



途中の道の駅で撮ったもの。はて、ここはどこだかね?
新潟県のどこかだと思うのですが全然記憶にありません^^;
撮影者はおっちゃんです。

おっちゃんは海沿いに旅をするとのことだったので、秋田でお別れ。
この後、三ヶ月近く放浪することになったのだけど、その期間中、一番長く乗せてくれたのがおっちゃんでした。
ホント、ありがとう!

時間も夕暮れ、暗くなってからのヒッチハイクは危険だし、その日のうちに青森につきたかったのでJRで青森へ。
途中、弘前あたりで長いこと停まっていてイライラしたり不安になったり。
日が暮れてから青森到着。


あまりうろつく気力も無かったので、青森駅前でストリートライブ。ねぶた帰りの若者が聴きに来てくれました。
ひょっとこみたいな顔がナイスw

そのあと、酔っ払いのおじさんが聴きにきて…
「×○☆※#」

ごめ…酔っ払いプラス津軽弁で、何言ってるかわかんねwww
とりあえず調子をあわせて「うんうん」と頷いていると、コンビニのおにぎりと缶コーヒーをくれた。
その日は交番の近くで野宿。

翌朝、駅が開いてから駅の中で二度寝なんかして、市内散策。
青森といえばやはり海の幸かな〜ということで、市場に行ってきました!



このタンポポは南部菊というもので茹でて食べるらしいです。
味は苦いそうな…ワタクシ、苦いものは苦手です。



一番左端のがホヤ…生姜みたいな形
生まれて初めて見たので珍しがっていると、おばちゃんが「食べてみる?」とのこと。
ありがたく一口…
(>Д<)

想像を絶する苦さと独特の匂いに涙目w
「あれー。好きじゃなかったねー。ごめんねぇー。」
↑おばちゃん大爆笑。これは狙ってたに違いないw
可哀想だから…ということで、ホタテの貝柱を食べさせてくれました。うまー

M氏との共通の友人から連絡があり、「どうやらMは北海道にいるらしいよ」というウワサ。
とりあえず二三日青森にいて、それから考えることに。

この日は外からねぶたを眺め、駅前で野宿することにしよう…と歩いていると。
「ねぇさん、どこから来たの」
と、テキ屋の兄貴に話しかけられる。
「あ、私は兵庫県からきました。人を捜してて」
「へー、そうなんだ。今からどこ行くの」
「特に考えては…とりあえず何か食べて、寝る場所探そうかと」
「…あんた、もしかして野宿?」
「そーです」
「危ねぇから俺の車で寝ろよ。別に怖くねぇから」

ちょっと柄が悪くて怖そうだったので警戒してしまう。
兄貴は店を片付けると運転席に乗って。
「飯食いに行くぞー」

ついていって大丈夫なのかな…と思いつつ同乗。
兄貴は近所の牛丼屋に連れて行ってくれて、私に牛丼をおごってくれた。
弟分っぽいのが二人来て、なにやら色々話していた。

弟「今からどこ行くんですか?」
兄「うん、風呂」

風呂!!風呂ってまさかラブホとかじゃねぇよな?!
逃げた方がいい?逃げるべき?あうあうあ???
しかし、逃げるも何もここがどこだか分からなければ話にならん。
牛丼を食べた後、また車に乗って…。

ついたのはスーパー銭湯。
風呂代も貸しタオル代も、兄貴が出してくれた。

お風呂の後はトラックの後部座席(?)で寝かしてくれた。
「俺、明日から仙台行くんだけど、一緒に行かないか?」
と誘われる。
正直、M氏の手がかりもないし、別に北海道に行かなきゃならんというわけでもないので 兄貴と一緒に仙台に行ってもいいかなぁと思ったりもした。
けれど、このときは兄貴のことをまだ信用しきっていなかったのと、やっぱり元々M氏を追いかけての旅だから…ということで、断った。

兄貴は「運転席だと寝れないから、後ろ行ってもいい?」と言って「別に何もしないから」といって、座席の足元に寝転がった。

本当に何もされなかった。

翌朝、尿意で目覚めた時、兄貴はなぜか運転席にいた。
車を降りて向かいのコンビニで用を足し、外に出ると…トラックが消えていた。

まだちゃんとお礼も言ってないのに。(;Д;)ブワッ
兄貴、本当にいい人だったんだね。信用できなくてごめんなさい。



とりあえずもう一日くらい青森でいようと思い、図書館やらで時間つぶし。
写真は青森観光会館とかいうところのねぶた。
女の子が記念撮影していたので撮ってみる。
で、駅前をぶらぶらしていると…なんと、はねとの服一式が売っているじゃないですか! 無駄にテンションがあがり、購入。
駅のトイレで着替えて混ざることに。

そんなわけで…





ヤマト運輸さんのねぶたにまざりました。
「らっせーらー」とか言いながらはねると楽しすぎます。

このとき知り合ったライダーのトラさんに、フェリーの千葉の近くにあるキャンプ村まで連れて行ってもらいました。
普段はキャンプ場じゃないけれど、ねぶたシーズンだけキャンプ場になっているそうです。
キャンプ場には北海道から来た人もいたのでM氏を捜してみましたが見つかりませんでした。
やはり、M氏は北海道にいるのだろうか?

翌日、コインランドリーで選択しているとケータイに電話が…
なんと、それまで電話しても繋がらなかったM氏からでした。

M「なにしてるん?」
私「コインランドリーで洗濯」
M「どこの?」
私「青森」
M「なんでwwwww」
私「ねぶた」←お前を追いかけて…とは言わない

なんでも、小樽の「ぽんぽん船」というところでヘルパーをやっているそうだ。

私「よし、いく」
M「え?どこに」
私「北海道」


そんなわけで、トラさんたちに別れを告げ、フェリーに乗って北海道上陸を目指す。
電話で話したその日のうちに、北海道上陸。
はるばるきたぜ函館〜♪

函館でヒッチハイク。
札幌に向かう途中の、女性二人+男性一人のバンに乗せてもらいました。
男性は言語障害があるみたいで、時々聞き取り辛かったものの、色々喋ってくれました。 小樽まで行きたかったのですが、札幌に向かっている人だったので「札幌でもいいです!」と言っていたのですが…

「道間違えちゃった〜このまま小樽向かうね〜」

ということで小樽まで乗せていってくれました。
小樽に着いたのは暗くなってから。
時間も遅いし、いまから「ぽんぽん船」というところに行くのも…と思い、その日はキオスクの裏で野宿。
冷夏だったのでかなり寒く、地面が冷たかった。


翌日未明。
あまりの寒さに目が覚め、がくがく震えながら食パンにツナマヨを挟んで食べる。
寒い。
駅舎があいたら、中で仮眠。
7時ごろになって電話帳を引き、目的地の「ぽんぽん船」の住所を調べる。
住所を頼りに歩いていると…どこからともなく聞き覚えのある声が!!

なんと、宿から出て行こうとしているお客さんを送り出しにきたMではないですか!
「M−!!」
と呼ぶと、まともにビビッた様子。
感動の再会?







そのあと、M、他のヘルパーさん、泊まっていたケーナ吹きのハシバさん、ギタリストのタニさんたちと小樽運河を散策。
こうして、合計一ヶ月近く、ぽんぽん船に留まることになったのでした。
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