旅行記

四国一周その1

2008年、滋賀県に移住するのを契機に仕事を辞め、移住前に自動車の運転免許を合宿で取ることに。
ついでに、社会人に復帰すると長旅にも出にくくなるので、前々からやりたいと思っていた四国一周をすることに。
神戸からだとアクセスしやすい四国も、やや東より+内陸の滋賀県からでは行き難くなってしまうし、合宿先が香川だったので「これ幸い」というわけである。

神戸から四国へのアクセスは淡路島経由徳島、岡山経由香川、ジャンボフェリー利用…の三通りがあるのだけれど、今回は自転車が運べる+安価ということ、最初の目的地が香川県の多度津であることからジャンボフェリーを選択。
まぁ、新神戸から岡山、岡山からマリンライナーで坂出、多度津というルートでも自転車は運べるのだけれどいかんせん高くていけません。

まぁ、合宿生には卒業時に交通費が支給されるのだけど、こいつがなんと新幹線利用での額が支給されるという…。
べつに領収書もいらないらしい。となれば当然安い手段で行くだろう。常識的に考えて。
(↑ただのケチ)


愛車、シュヴァルツカッツェ号。
ルイガノのLGS-FIVEというマウンテンタイプのクロスバイクです。
ロードタイプのクロスに比べると走行性は劣りますが、悪路には強いです。

予算とサイズ関係でこれしか選択肢がなかったとか…ゲフンゲフン。

純正モデルに自分で購入したオプションをつけまくりで、一見しただけではルイガノに見えないかも…特にリアが。
ハンドル周りに左から純正のベル、キャノンデールのLEDライト、キャノンデールのサイクルコンピュータ、100均で買ったボトルケージが付いています。
スペース的にはもはやキツキツですね…。

トップチューブにパナレーサー、シートポストにトピークのギアボックス(工具とパンク修理キット)、リアにはトピークのキャリア、キャッツアイのLEDリアライトを装備しています。
とりあえず、ランドナー風マウンテンという感じです。足回りとかはいじってないです。ていうかいじれるか、んなもん。


午前6時ごろ神戸を出向する便で出発、船の中はやたらと冷房がきつく、かなり肌寒かったです。
夏場、ジャンボフェリーを利用する予定がある人は羽織る物を持っていったほうが良いかもしれません。特に女性は。
あと、食べ物はないと思った方がいいです。売店?営業してなかったがな。

あまりにも冷えるのでホットコーヒーを買いました。
コップの横にちょこんと座っているのは、今回のお供です…が、写真に出てくるのはこれ一枚だけです(ぉぃ)


ジャンボフェリーのデッキから。高松まで約4時間。案外近いものです。

高松からは輪行で多度津まで。
それから約二週間ほど自動車学校で合宿です。




コレが今回の大雑把なルート。足摺の方はいけなかったので正確には「一周」とはいえないかもしれない。一部電車や車に乗ったところもあったりなかったり。

8月5日 多度津→阿波池田

長かったようで案外短かった免許合宿を終え、無事に旅に出ることが出来ました。
書類やらなんやらを貰ったりしていると午後二時を周ってしまい、検定の疲れと暑さ、時間の関係であまり走れそうにない気配。
でも、出発。なぜかって?寮から追い出されるからさ!!

多度津から国道319と32を通って南へ向かう。
琴平の近くを通り、初めての路上教習で来た財田の道の駅で休憩、飴購入。
ここから先は全く未知のエリア。ここまで来てようやく旅が始まったという気分になる。
やっぱねぇ、何度か走った道は「旅」って感じがしないんだよ。うん


午後の強烈な日差しのせいか、気温は33度…と書いてあったけど、体感温度はもうちょっと高いんじゃないか自転車だし。
竹笠(金毘羅さんで買った)のおかげで首や後頭部は守られているけれど、やはり疲れもあってなかなか辛い。

それにしても蒸し暑い…竹笠だけでは安定が悪くぐらぐらするので、キャスケットかぶってその上から笠かぶってるんだが、そのせいか頭がむしむしする。
そうだ!頭にタオルを乗せて笠かぶれば大丈夫なんじゃないか?!
ということで、帽子を脱いでタオルを乗せ、笠をかぶる。

うん、ちょっと不安定だけど大丈夫そうだ。

海沿いのルートではなく、内陸部ルートなので必然的に峠越えがある。
しかも、香川から阿波池田にいく主要なルートなので、結構車が多く、大型車もバンバン通る。
上り坂が嫌いな(というか、前サスペンション付いてるしリアに荷物積んでるし、上り坂向きじゃないよな、明らかに)私は、のぼりは延々と押して歩く。
下りになると「やっと俺のターン!!」(「ずっと」じゃないのかよ)といわんばかりに走り始めるのだけど…。

なんつーか、結構なワインディングでしてね。しかも前述の通り車が結構多いんですよ。
んなわけで、あんまり調子に乗って「ヒャッハー!」とはできないんですよな。怖いじゃない。

そんなわけで慎重に、かつ「ヒャッハー!」しつつ下っている時、事件はおきました…。


にわかに不安定だった竹笠がぐらぐらし始めたと思うと、下り坂のため下からの風で微妙に浮き上がったんです。
顎にかけてある部分はゴムじゃないのでぶっ飛ぶということはないのですが、普通に首が絞まりますそりゃもうナチュラルかつソフトに!!

コレはいかんと思い、ちょっと被りなおそうかということで減速し始めたその時、更なる事件が


ばさーっ!!!


「ぎゃーーーーー!!!」



た…竹笠のやろう!!あろうことか顔にかぶさってきやがった!!!

まて!マズは落ち着け!!そうだ、素数を数えるんだ!1.2.3.4.5…

ばかやろう、これは素数じゃねぇ!!!

いや、数なんか数えてる場合じゃない。とにかく安全に停止だ。

なんとか停止し、竹笠を取る……運良く車は来てなかったけど、下手すりゃ大惨事だったぜ…マジで。
安全のためにも多少の不快感は仕方がない。竹笠の下には帽子は絶対被ることにしよう。うん。




ようやく県境に付いたのは17時前。
日も傾き始めていたので空が暗い。というか、ちょっと曇っています。
出発した時からグッタリ気味だったので、まったくと言って良いほど進んでいません。

時間もそろそろ遅いし、宿を確保したいところ。
事前の計画でも阿波池田あたりで宿を確保するつもりだったので、完全に日が暮れる前には池田についておきたいところ。



かなりグッタリ気味に阿波池田近辺に到着。
ここから宿を探さなきゃならんのか…しかし、なんか温泉旅館の看板ばっかりで、ビジネスの看板が見当たらない。
貧乏旅行者にとって、一泊5千円以上は「(ヾノ・∀・`)ナイナイ」だからな。
最悪、野宿でもいいが(寝袋持ってるしね)…とりあえず大歩危方面に向かって走ればなんかあるかもしれん。



走っていると、道沿いに素泊まり3000円の看板発見。
その名もなんと「旅人宿」
おお、これこそまさに私のために用意されたような物ではないか!!

早速「お一人様・要駐輪スペース」を告げたところ、どちらも問題なしとのこと。今日はここで泊まること決定!
竹笠着用の私を見て、宿のおじさんに「お遍路さん?」と聞かれる。いいえ、ちがいます。これはまぁ、趣味と実益ってやつです。

おじさんに部屋まで案内してもらう途中、私と同じくらいかもうちょっと若いかなーというくらいの女性の集団に遭遇。
こっちを見ていきなり「あーーー!!さっきの自転車の人だーーー!!!」と叫ばれる。

な、なんですか。僕なんか悪いことしましたか?(;´∀`)ビクビク
(たまに「チャリが車道走るな(゚Д゚)ゴルァ!!」って言われるんで)

聞くと、この人たちは神戸から車で来たらしく、途中で私を抜いたそうな。
んで、車内で「なんか笠かぶった自転車の人がいた」「自転車で旅とかパネェ!!」みたいに話題になってたらしい。
よかった、悪い意味でなくてw



「旅人宿」は吉野川が見えるウッドデッキがあって、そこではバーベキューができるシステムになっています。
女性たちはそこでバーベキューする模様。
使用料とかいるらしいんだけど、おじさんが「料金はいいから、ご飯まだなら一緒に食べるといいよ」と言ってくれました。

が、私。女性がとっても苦手なんですよ。特に集団。
というか基本的に人見知りだったりするんで…初めての人の集団に混ざるとか…無理です。ホントごめんなさい。
なによりすんげー疲れてるんです。
混ざったら気を使って余計に疲れそうだし、なるべく早く寝て早い時間に出発したいので…。

ということをストレートに伝えたところ「そっかー。うるさくしないようには言うけど、うるさかったらごめんね。その時は言ってね」と言ってくれました。多謝であります。


とりあえず自分の餌を確保するべく、コンビニの位置などを聞いてみると…なんか大歩危の方にしばらく走って、橋を渡って…と、なんかずいぶん遠そうな気配。
うん、まぁいかにもリア充っぽいあの集団に混ざることを考えれば、自転車で10分や15分なんて造作ないことだよ。

言われたとおり走っていると、道沿いに「あめご亭」というお店発見。
一見、やってるのかどうか不安な感じだったものの、どうやら営業中だったポイので、早速入ることに。



「あめご」とはどうやら「あまご」のことらしい。
といっても、川魚は鮎くらいしか食べたことなかったので初体験ですがね。
刺身もメニューにあったのですが、水不足の影響で刺身を出せないといわれました。
正直、刺身って水不足とどう関係あるのか分からんのだけど、それを問いただすのはさすがに感じ悪い(「貴様!ワシに刺身を出さないためにいってるな?!」というみたいな)ので、郷土料理の「あめごひらら定食」にしました。

土鍋のふたみたいなのに味噌が盛ってあり、その上にあめごや野菜がグツグツしているというものでした。
あめごひららはもちろん、小鉢の南蛮漬けが異様に美味かったです。
疲れてると甘みとか酸味とかが美味く感じるのかも。



あめご亭の窓から見える吉野川の風景。
大きい川なのに、たしかに水量は少ないなぁ…水不足だ。


食事を終えて宿に戻り、ささっとシャワーだけ浴びて寝ることに。
で、部屋に戻ろうとしているところで先ほどの女性集団に再び遭遇、案の定「一緒にどうですか?」と誘われる。
いやもう寝る気満々なところで言われてもと思いつつ「すみません、明日早いので」と、協調性のなさを発揮しつつ流しておきました。

ストレッチをして足にサロンパス貼り付けて、とっとと就寝。
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