昼下がりの憂鬱

猫は微笑みながら眠る。まるでそれだけがすべての様に。

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たった一人の五輪ボイコット

産経ニュースにこんなニュースが載っていました。
 1996年アトランタから2004年アテネまで、日本が3大会連続で金銀銅メダルを独占してきた五輪種目がある。陸上男子砲丸投げ。といっても選手の話ではない。メダルを獲得した選手の砲丸が、ことごとく日本の、それも小さな町工場で作られているのだ。北京でも当然、日本製「魔法の砲丸」のメダル独占は確実…のはずだった。

 埼玉県富士見市。有限会社辻谷工業は東京近郊の小さな商店街の一画にある。2階建ての1階が工場、上は自宅。旋盤のハンドルを握り、黙々と砲丸を削っていた辻谷政久さん(75)があっさりと言った。

 「北京はやめました」

 04年8月、サッカーのアジアカップが中国・重慶で開かれた際、現地サポーターが見せた日本に対するむき出しの憎悪。それが辻谷さんには気がかりだった。悩みに悩んだ末、4大会連続メダル独占の偉業を断念し、砲丸の卸先の運動具メーカーに北京五輪用は作らないと伝えた。去年の11月のことだ。

 「砲丸は私の分身です。とても中国には出せない。大事に使ってくれる選手には申し訳ないが、職人としての意地があります」


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コラム「すごいぞ日本」に載っていた記事なのですが、非常に感銘を覚えました。
記事を読む限り、小さな町工場ではないかと思います。
最近は鉄など原料も高く、小さいと頃は厳しい状況だと思われます。
そんな中、自分の信念のためにオリンピックという大きな仕事をボイコットすると言うのは、並大抵の決意ではないはずです。
記事の続き、その2などを読めば、素晴らしい技術を持っているのでそんなことは無いと思いますが、場合によっては二度と仕事が周って来ない可能性もあるわけです。

儲けというものを度外視し、自分の信念、意地を貫く。
人によっては馬鹿だと思うかもしれませんが、私は素晴らしい職人だと思います。

「砲丸は私の分身です。とても中国には出せない。大事に使ってくれる選手には申し訳ないが、職人としての意地があります」

この言葉に、自分の仕事に対する誇り、作ったものに対する愛情を深く感じます。
器用な生き方ではないかもしれませんが、このように誇りと信念、矜持というものをしっかり持って生きていければ素晴らしいと思います。

しかし、日本って小さな町工場が凄い技術を持っているから侮れないですね。
ただ、最近の若い人は「職人」をやりたがらないから、これから先が不安ですね。
日本の職人さん、がんばって!
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