昼下がりの憂鬱

定時直前、K課長がなにやら組み立て作業をやるので手伝ってくれと言うので、組み立て作業場に行った。
三人一組でやらなくてはならないそうで、教育も訓練も全く受けていない私などやっても良いのか疑問ではあったのだけど、工場長や社長もいたのでOKということなんだろう。
K課長しかいなかったらほぼ間違いなく無断なのでNGだろうけど。

で、もたもたしつつも組立作業開始。

社長
「月影さん、組み立て課のやつらはこれ一個２４秒で組み立てるんだよ」


２４秒！！！SUGEEEEEEEEEE！！！
うちの組み立てはバケモノか！


私は初めてと言うこともあり、道具も始めて使ったり、手順がわからなかったり、作業台が高かったり…まぁ、その他諸々の理由もあるので「ゆっくりでも良いから確実に、傷をつけないようにやってね」という感じで見守られるが、K課長はそうは行かない。

検査機に製品をセットするのにガツガツぶつけたり、動きそのものがノロノロしていてドン臭いため、社長から檄が飛びまくる。

社長
「K！！お前モタモタやってるけど、それ一個何秒で作るかわかってるのか！！」






２５秒です！！



社長
「あほう！！２４秒だ！！その１秒はなんだ？！なんでお前だけ１秒伸びるんだ？！」




（ボーナスタイム！！Kボーナスです！！）


……


…………ﾌﾞﾊｯｗｗｗｗ



（やばい、自分の心の声にツボったｗｗｗ）
うくっ…ひひっ…




（月影さんっ！！このタイミングで！！！）




（落ち着け！素数でも数えろ…。そうだ、咳き込んだフリでごまかすんだ）
ひっ、くひっ…ゲフンゲフン！！





（わざとらしい！わざとらしすぎる！）





（なんとか凌いだか…。Oさんに言いたい、小さい声でボソッと…「Kボーナスです」と…やべっ。思い出すとまた…）
ゲフンゲフン…



幸いにも、先日からマスク着用のため顔の半分が隠れている状態でした。
いや、本気でやばかったよ…。